Seminar house in Domaine Kurodasho

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AICA施工例コンテスト2022 メース賞 所在地:兵庫県 設計:株式会社TOFU 本プロジェクトが計画された「ドメーヌ黒田庄」は、兵庫県西脇市の黒田庄町に建設された、酒蔵関連施設および酒米を生産する田んぼの集合体である。ドメーヌとは、フランス語で領域、区画を意味し、特にワインの銘醸地であるブルゴーニュ地方で使われている言葉で、葡萄の栽培から醸造、熟成、瓶詰めまでを自ら行う生産者を指す。 本計画は、2018年に酒蔵施設の建設を始め、農業棟、乾燥調整棟、精米棟、醸造棟、冷蔵庫棟、セミナー棟の計8棟を3年・3期にわたって建設するもので、農と醸を包括するドメーヌが2021年に完成し、酒蔵のある田園風景が黒田庄に出現した。 この施設は「ドメーヌ黒田庄」のセミナーハウスで、世界中から集まるシェフやソムリエ、醸造を学ぶ学生を招待する場所として計画された。来館者がドメーヌを最も体感できる施設であることを優先し、建築のダイアグラムを設定した。 地形を利用したアプローチを設定し、地上4mをメインの床レベルとすることで、来館者は北側には酒米を育てる広大な田んぼの風景を、南側には広場を行き交う蔵人と醸造を行う酒蔵を眺望できる。オーナーが思い描いた農と醸のドメーヌを視覚的に体感できる場所となっている。 外観はアイカテック建材の押出成形セメント板(Extruded Cement Panel: ECP)のメースに特殊塗装を施し、ドメーヌ全体の自然色にあわせた色感や質感を表現した。同時に施設全体の統一感も保っている。