DATA

CREDIT

  • 設計
    一級建築士事務所 大城禎人建築設計事務所
  • 担当者
    大城禎人
  • 施工
    株式会社 屋島組
  • 構造設計
    宮里尚志 / Lifetect一級建築士事務所
  • 撮影
    鳥村鋼一 / 株式会社鳥村鋼一写真事務所

本計画は私と両親、弟家族が住む完全分離型の3世帯住宅。沖縄にはRC造で階毎に世帯を分け、1階をピロティ形式の駐車場とする集合住宅が多く点在するが、その構造はメガストラクチャー。車の出入りや駐車スペースなど駐車場の利便性を重視するあまり、ピロティ空間を重厚な柱や耐力壁で形成。結果、無機質な街並みや間延びした住環境につながっていると感じる。本島中南部の計画地の周辺にも同様な集合住宅が立ち並ぶ。  そのため、本計画は「短スパングリッド」「逆梁」「オーバーハング」とごく一般的な工法で、街並みと住空間を豊かにする標準的な中層建築を目指した。  まず、ピロティ空間はRC造では細めの400㎜角柱を、3.2m×3.6mの短スパングリッド状に配置。列柱空間は間口方向2スパン、奥行方向3スパンとなり、構造上必要な耐力壁は建物の中央に配置。外周3面を開放したうえ、細柱を敷地境界線から2.3mセットバックし生まれた余白を緑化した。  次に逆梁。梁を逆梁とし、コンクリートスラブの連続と列柱の相互作用により、視覚的な広がりと奥行きのある構造体とした。フラットな天井は住戸部にそのまま活かして、天井下地を省略。逆梁によって生まれた床段差が空間に変化を与えつつ、床下空間は設備の配管スペースとした。列柱は空間を緩やかに分節しながら、インテリアの要素としても機能している。また2~4階のボリュームを1.3m程オーバーハングさせ、各階の間取りに応じてバルコニーを四方に配置。日射遮蔽や近隣からの視線緩和など、列柱空間の内外で異質な空間を生み出した。  本計画において、車社会の沖縄で要となるピロティ空間は街中に開く公園のようでありながら、その構造は豊かな居住空間にもつながっている。ヒューマンスケールに寄り添い、地価・物価高騰など制約が多い時勢下でも、豊かな建築空間を模索した。

物件所在地

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