
PROJECT MEMBER
「ちりめん街道」を代表とした伝統建築物が残る京都府与謝野町に建つ、夫婦と子供3人のための住宅。 計画地は周辺地域の方が利用されていた教会跡地であり、住宅メーカーによる新しい建物と昔ながらの瓦屋根の日本家屋が混在した場所となる。周囲は将来的に住宅が立ち並ぶことが想定されることから、敷地の記憶をたどり周辺に対して逸脱しないスケールとなるよう計画をした。 周囲の伝統建築物のボリュームを参照して、大屋根は平入り切妻型とし、積雪が多い地域となることから半屋外の土間が平入り片流れ型のボリュームで取り付く形状としている。大屋根を支える2層分の架構の下に設けられたウッドデッキスペースと共に中間領域として「内と外」「家族と地域」など様々ま関係を結ぶ居場所を目指した。 内部空間は一続きの空間としながらも、「ズレ」によって空間を知覚として多様に享受できるようにした。段差による「断面のズレ」は空間の余白が生まれ、斜め壁による「軸線のズレ」は空間に連続性をもたせ、玄関から子供部屋まで一筆書きに続く動線は「動線のズレ」によって空間に展開をもたらす。意図した空間が家族の中に「新たな間」を与え、多様な生活の場とのつながりが生まれることを望んでいる。
4