安土常楽寺の家

ビルディングタイプ
戸建住宅
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114
日本 滋賀県

DATA

CREDIT

  • 設計
    COLOR LABEL DESIGN OFFICE
  • 担当者
    殿村明彦
  • 撮影
    山分正英

少し近年の分譲地に建つ住宅について考えてみたい。ハウスメーカーの既製品の家が建ち並び、その土地はどれも南側道路が良いとされ、北川道路の土地は意味なく倦厭される傾向にある。しかし、南側道路に建つ多くのハウスメーカーの家は、天気のいい日中でもリビングの大きな窓がカーテンで閉められている。それは、プライバシーの事を考えず、南だから日当たりがいいと安易な考えで一階にリビングなどを配置し窓を大きく開口した結果である。これでは大きな開口は無意味でしかも、周りからは家の外観を見るだけでおおよその間取りすら安易に推測できてしまう。それでは南側道路の価格の高い土地を購入する意味がなくなってしまう。 そこで今回のプロジェクトでは土地の選定より関われせていただいた。分譲地の一番奥にある南側道路の土地。2階に居住スペースのほとんどを配置し、寝室とLDKをデッキで繋ぐことで、夜は寝室だが日中はLDK+デッキ+寝室で一つながりの空間として使えるように配置した。2階に居住スペースのほとんどがあるので、玄関から2階につなぐ階段も玄関の一部ととらえ、人を招き入れるような明るい開放的なデザインとした。ファサードからは一切どこに何の部屋があるかはわからず、そのことによりこの建物を見た人たちが想像力を膨らませている。今や、この建物はこのあたりのランドマーク的な存在になっている。建築家が自らその土地に足を運び考える事で、その場所のポテンシャルを最大限に引き出せると思う。 建築家がその努力を怠ってはいけないと思っている。

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物件所在地

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