あそか眼科

ビルディングタイプ
医療施設

DATA

CREDIT

  • 設計
    DAT/都市環境研究室
  • 担当者
    野口修
  • 施工
    株式会社渡辺富工務店
  • 撮影
    井上登

◼︎クリニックの社会性や地域性を再考する  埼玉県蕨市の郊外に在る医療モール内の眼科クリニックである。 眼科には、①診察室や検査室、手術室など、暗室化が求められる空間と、②院長室、スタッフルーム、トイレなどの個室空間、さらに③受付・待合や視力検査スペースなど、壁を必要としない空間がある。  ここでは医療モールの一室150㎡のスペースに対し、手術室も含めたギリギリの空間ボリュームが求められたこと、待合空間を活用した講習会や集まりが企画可能な「地域に開いたクリニック」が構想されたことから、①や②のクローズした空間をなるべくコンパクトにおさめ、待合を大きくとることを考えた。  まず、上記①を1ブロックにまとめて固定し、そこに出来た動線上の適切な場所に②を配置して、①と②の隙間に③の受付・待合や視力検査スペースを組み込んだ。加えて、患者が自由に動く③内部には、木や紙、土など、柔らかな有機素材を用い、視線や光を緩やかに透過する木製ルーバーで分節して、連続性が感じられる開放的な空間を目指した。  木製ルーバーは、かつて宿場町だった蕨宿の街並みを形成した“木格子”を援用することでもあり、このクリニックが地域の社会基盤施設であることを想い起こさせる。同時に天井に埋め込んだロールスクリーンを下げ、イスのレイアウトを変えて、待合空間を多目的に利用できるようにしたことで、発熱外来の可否やオンライン診療など、コロナ禍を通じて多様化する診療スタイルから再考されるクリニックの社会性や地域性、情報発信拠点としての「地域に開いたクリニック」というニーズに答えようと考えた。

物件所在地