この空間はデザインの中にアートを取り込んだ空間で、まずはアートありきでデザインを計画していきました。またアートの土台として疑岩で壁面を覆うことを計画しました。これは日本の深山（ミヤマ＝深い山）でよく目にする大きな岩盤を市中（街中）に出現させようと考えたからです。街中に巨大な岩盤を出現させることで、日本の深山に潜むダイナミックで神秘的な世界観とスピリチュアルな表現を演出できればと考えたからです。 日本の山の奥底にその存在をひっそりと忍ばせつつも威風堂々たる威厳を放つ「深山の巨大な岩盤」が今回のインスピレーションにつながりました。古くから日本には八百万の神がいると信仰されてきた歴史があり、木、岩、水、草木など自然のありとあらゆるものに神が宿ると信じられてきました。この度の巨大な岩盤も同じく、そんなスピリチュアルな精神性へとつながればと思うのです。