
海外の多くのデザイン展にも出展を重ねるサーフェイスデザイン事務所のオフィス兼工房の計画です。世界各地で採集された素材(木、砂、鉄など)はここで加工され、データに変換されて様々な製品に生まれ変わる原稿となります。 入居先の既存テナントスペースは6m近い天井高と、存在感のあるコンクリート造の架構があり、この空間の大きさを活かすことを考えました。 機能を有しない部屋の上半分の気積をサーフェイスデザインのための場所とし、肌理の豊かな自然素材、世界各地を巡ってアーカイブされた写真、デジタル化されたサーフェイスデザインなどが展示できるようにしています。 かつて中世のヨーロッパで流行した驚異の部屋(Wunderkammer)は、収集家の嗜好により、古今東西の珍品が集められ、社交場としての機能を有しました。 この場所もデザイナーの眼を通して収集、制作されたテクスチャーが空間を彩り、コミュニケーションを創発するオフィスになればと考えました。