
PROJECT MEMBER
歩行者の多い店舗とマンションが並ぶ大通りの1階路面店での店舗新装計画。コンブチャ専門店としての店舗販売だけではなく、製造卸業として醸造所の役割を持たせた店舗をクライアントから希望された。健康飲料としての発酵ドリンク「コンブチャ」という位置付けだけではなく、お酒の代わりに楽しめる様々な種類の美味しい「コンブチャ」を提供し、多くの方にコンブチャを広めたいというクライアントの要望から、醸造機を顧客から見える位置に配置し、スタンディングスペースでドリンクを提供しながら材料や製造方法を伝える空間とした。定番ドリンク以外にヒノキやアロエなど季節やその時仕入れた材料によって様々なコンブチャを提供するため、ドリンクを飲んだ時の面白さや新たな発見の感動を増幅させるため、醸造機前の空間は多灯吊り照明とブラック色の床・壁・天井により非日常空間を演出している。またコンブチャが酢酸発酵飲料のため、材料となる食物等の源となる栄養のある土壌をコンブチャのルーツと位置づけ、コンブチャを提供する厨房カウンターは地層をくり抜くようなデザインとし、内部は無機質でシンプルなモルタル系の意匠で整えながら、各所にアラベスク模様のステンシルで古代壁画のような表情を演出している。これは長時間かかる土壌発酵の時間を古代壁画の保存される長い時間と紐づけている。コンブチャの発酵イメージを地層で表現し、ドリンクを飲んだ時の驚きをスタンディングスペースの小宇宙のような非日常空間で表現しながら境界をはっきり分けることで、限られた空間を2つの用途で使用できるように計画した。