
PROJECT MEMBER
静岡県御殿場市にたつ、宿泊施設のレセプション棟の計画です。 敷地は広大な森の中の丘陵地で、富士山への眺望や小川のせせらぎがある自然豊かな土地です。レセプション棟は点在する宿泊コテージの受付機能のほか、カフェやショップ、ラウンジを有し、宿泊者だけでなく地域の人々も気軽に立ち寄れる交流の場としての機能も求められました。 地形に沿って配置される切妻屋根のコテージは平側が富士山を向き、道から見ると妻側が一律に並ぶ特徴的な景観が生まれます。私たちは、自然と共にコテージの集まりをひとつの風景と捉え、敷地に対するたち方を共有することで、調和のある群としての宿泊施設を考えました。 コテージと呼応する家型のプリミティブな断面と、富士山を縁取る四角い窓を直交して配置し、平面的にも断面的にも緩やかなカーブを描く屋根で繋ぎます。壁は屋根のカーブに内接するように雁行して築き、梁を一方向に同ピッチで架け渡すことにより、内部では断続的なシークエンスを形成し、外部ではグラデーショナルな形状の変化が表情になって現れます。 敷地特有の現象を顕在化し、少しだけ変形を加えることで、この土地だからこそつくられる佇まいを目指しました。