MERCURE TOKYU STAY OSAKA NAMBA

西心斎橋地区(旧:炭屋町)はその昔、大阪湾から道頓堀を遡って炭が集められたことから、当時は「炭谷町」と呼ばれていた。その後1970年代まで時代が進むと、閑静な倉庫街は地元のクリエイター達の手によってカフェやブティック、ライブハウス、アトリエなどに姿形を変えていき、現在では大阪・ミナミで最も活気溢れる関西の若者文化をリードするストリートカルチャーの街として進化を遂げ、“心ブラ”という言葉が生まれる程、国内外で広く知れ渡っている。 「メルキュール」と「東急ステイ」のダブルブランドホテルとして新たに誕生する「MERCURE TOKYU STAY OSAKA NAMBA」では、地域に根付くインタラクションを“アトリエ・ハブ空間“と捉え、独自の文化を築いてきたファッション、音楽、アートなど、クリエイティブな思考を持ってインテリアデザインを行う事で、感度の高い滞在ゲストと地元クリエイター達が出会い、様々な情報が行き交う新たな”若者文化の発進基地”となることを狙いとしている。 ホテルロビーはオブジェの様なチェックインテーブルを中心に、隣接するテラスとバーカウンター、 GRAB&GO機能を持つ「SHOP M」で構成される。 ロビーの顔となる“グリーンポッドウォール”は、吹抜け空間まで続く壁面にてダイナミックに展開され、館内に一歩足を踏み入れたゲストは先ずそのスケール感に圧倒され、旅の高揚感を盛り上げる。その対面に緑豊かなテラスラウンジを配置する事で相乗効果を生み、ロビー全体が光と緑で満ちたコートヤードの様な気持ち良さを創出している。グリーンポッドにはそれぞれLEDが内蔵されており、夜は光の演出によってバーの様な色気のある空間に姿を変える。 更に大階段を進むと、中2階にはコワーキングラウンジ、2階にはプレイラウンジを配し、仕事と遊びが共存するソーシャルハブ空間が共用部全体にシームレスに繋がる。 “Escape Minami“をテーマとしたオールデイダイニング「CENTRE M」では、店内で焼かれるパンやフィナンシェなどのライブキッチンを五感で楽しみながら、地元アーティストによる壁画をはじめ、アートフルな家具、照明、植栽などに囲まれ、この地域ならではのクリエイティビティに触れられつつも、上質でタイムレスな食空間となる事を目指している。 全288室のゲストルームにおいては、無機質な空間の中にアイコニックなデザイン家具で構成されたスタンダードルーム、長期滞在者向けのミニキッチンやランドリーなどの機能面を兼ね備えたプリヴィレッジルーム、居室の大きな窓から大阪・ミナミの街並みが一望出来る開放的なスイートルームなど、年齢・国籍問わず様々なゲストの目的やニーズに合わせたルームミックスで構成されている。 デザインにおいては“クリエイターズアトリエ”をテーマに、心斎橋ならではのファッションカルチャーで用いられる色使いやパターンなどを各プロダクトに変換して取り入れる事で、旅慣れたゲストがワクワクした時間が過ごせる様、遊び心で溢れた仕掛けを行っている。

メンバー

クレジット

  • 設計
    DESIGN STUDIO CROW
  • 担当者
    藤本 泰士 / 亀田 幸希
  • 施工
    建築:竹中工務店 / FF&E:東急Reデザイン / 照明計画:LIME DESIGN / サイン計画:びこう社 / アートワーク(客室):OXY STUDIO / アートワーク(共用部):THE VINTAGE HOUSE
  • 撮影
    ナカサアンドパートナーズ

データ