
「小さな敷地に、大きな気積を作る」 敷地は起伏に富んだ地形の高台に位置し、近辺は迷路のような狭い路地で形成されて密集住宅地である。敷地に沿わせた平面形に、テント小屋のように中央に細い柱を2本立てて無理のない架構とし、おおらかなボリュームを作る。1階の諸室と屋上テラス、地上と上空から規定されてできた抑揚のある空間はただただ「大きなひとつの気積」であり、周囲に寄せた外観とは対照的に、路地の「地」に対する、小さな敷地の白い「余白」である。天井高の異なる1 階諸室の連なりが2階床のレベル差となることで、路地面から螺旋状に回遊し空に向かって抜けるひと繋がりの地形のような連続的な場を構成する。
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