うずら

ビルディングタイプ
レストラン
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117

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 設計
    TYRANT
  • 担当者
    松葉邦彦
  • 施工
    有限会社アップストーン
  • 撮影
    広川智基

1973年創業のくじら料理専門店の移転計画です。白金高輪駅から徒歩数分の住宅街に建つ築37年の鉄骨造2階建ての狭小住宅を店舗にリノベーションしました。 リノベーションに際して、まず周囲の環境から切り離すために高さ3m超のモルタル仕上げを道路境界沿いに立てました。そして、壁面中央にはかつての店舗から引き継いだ木組の看板を設置しています。その壁面によって隔てられたかつての建物前面の駐車スペースには、入口までのアプローチとテラス席を配しています。また、店内は1階にカウンター席およびキッチン、2階にテーブル席と個室をそれぞれ配置しています。 細長い階段状のアプローチを進み店内に入ると、以前の狭小住宅とは全く異なる空間が広がっています。1階は既存の梁やブレース、ALCスラブは現しとすることで、制約のある店内に空間的な広がりを生み出しています。土間の既存レンガタイル貼りをあえて残したエントランスからは、ブレース越しにコンクリートブロックの上に合板とオーク材を重ねた天板を置いたカウンター席を望むことができます。頭上には天井ブレースに沿わせて設置した照明を配置しています。 階段室の壁面は遊び心と注意喚起を兼ねてあえてサーモンピンクに塗装しています。屋根の断熱の関係で天井を貼った2階は単調な空間になるのを避けるために、床モルタルとテラゾータイルの切り替えや濃淡グレー色の塗り分け、奥に覗くことができるサーモンピンクやブレースなど複数の要素を散りばめました。個室のフロストガラスの間仕切り越しにはブレースがぼんやりと浮かび上がります。 抑制されたグレーの床、壁、天井に朱色の錆止め塗装やオーク材の木質を組み合わせることで、上品さと華やかさを兼ね備えた空間を実現させました。