
PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- その他オフィス・企業施設
- 構造
- 木造
- 工事種別
- 新築
- 延べ床面積
- 351.37㎡
- 竣工
- 2022-11
CREDIT
- 設計
- INTERMEDIA
- 担当者
- 佐々木翔 / 鈴江佑弥
- 施工
- 黒木建設 / 大匠建設 / 山佐木材 / 建鋼社 / ライムイシモト / エイキ設備 / 堤電気
- 構造設計
- 円酒構造設計 / 円酒昂
- 撮影
- 八代哲弥
- 設備設計
- シード設計社 / 中川佳則 / 仲村浩史 / 山野義仁
- 照明設計
- 杉尾篤照明設計事務所 / 杉尾篤
- 家具
- WAAK° / 陳内太一
- サイン
- 氏デザイン / 前田豊 / 平賀美沙子
- 企画
- 東彼杵ひとこともの公社 / 森一峻
- 施主
- 大黒屋
【柔らかな木梁に包まれるオフィス】 長崎県大村市に建つ新築のオフィス.創立70周年を迎え,社長も代替わりした企業の新社屋として,執務空間の環境的な快適性やDX化といった機能性の向上だけでなく,次世代へ向けた推進力となるような建築を求められた. 建築計画としては,約20名のオフィススペースと最大約30名の多目的スペースを左右に配し,矩形の平面を分節するようにT字状のヴォリュームを設けた.その全体に105×300mmの木梁を南京玉すだれ状に架けている.建物の周囲は第一種住居地域であり,背後には木造二階建て住宅の町並みが連続するため,そのスケールを受け止めるような高さで敷地奥側に水平梁を設定し,そこから前面道路に向かって下げている.ただしその変異は一様ではなく,正面向かって右手側に平屋建ての塗料倉庫,左手側に4階建てビルがあり,それらのスケールを紡ぐように,そしてT字状のヴォリュームを包み込むように変異を定めた.この屋根を構成する木梁の一つひとつは直線材だが,その変異を結んでいくと曲面のような屋根形状となる.この木梁を支える柱は前面ガラスのマリオン(55×150mm)と吹き抜けの境界線上(55×55mm)にあり,梁はその直上に屋根形状に沿う形で内包され,木梁を上から吊っている.いずれも鉄骨材としてスケールを落として存在感を希薄にし,木梁の存在をダイレクトに感じられるようにした.すべて県内産のスギを用いた木梁で屋根面全体を覆っているため,木材が本来有している高い断熱性能を活用している.また屋外側には4m片持ちで突出しており,エントランスへの雨掛りを防ぐとともに西日等の日射制御にも寄与している. 105×300mmという材木のスケールは身体感覚としては大きいはずだが,立ち上がったものと対峙するととても軽快で浮遊感がある.またこの特徴的な木屋根は,周辺の街並みのスケールとオフィス内部の要求から浮かび上がってきたヴォリュームとを調停するように導かれており,この街とおおらかに連続する形を取りながらもアイコンのような強さも共存するような建築を目指した.