PROJECT MEMBER
ストリートダンスやヨガを中心に利用される、開放的なスタジオを中心とした2階建てのダンススクールである。 松山市に隣接する東温市の街道沿いに建ち、2階のスタジオは、主に午前中はヨガスタジオとして、主に午後から夜にかけてはストリートダンスを中心としたダンススクールとして利用される。子どもの利用が多く、1階には学習のできるスタディスペースを設け、併設されたカフェは保護者の待合にも利用できる。スタジオを2階に設け、1階はスタジオ利用者の受け皿となる構成である。 2階のスタジオは、遠くに石鎚山脈の山並みを望み、眼下には田園の風景が広がる。床は乾式二重床として下階への衝撃音の低減を図り、切妻屋根の勾配から導いた段状の天井は、経済性を鑑みて軽量鉄骨（LGS）下地現しとし、ベースライトなどとともにスタディを重ねて計画した。その表現は日本建築で例えるなら折上格天井であり、その現代的な解釈といってもよい。折上格天井がそうであるように、LGSも躯体の構造からは自由であり、天井高の変化が空間の高揚感を演出する。 スタジオは曜日・時間に伴い利用者の年齢や内容が常に変化するため、1階も、カフェ・スタディスペースそれぞれが時間やイベントの有無などに伴って可変的に対応できるよう、建具で分節し、複雑なプログラムにも対応できるかたちを模索した。 ダンスの必修科目化などに伴って若年層のダンス人口が増加する中、子どもが多様な才能を開花させられるような、学校とも一般的な学習塾とも異なる新たな居場所の創出を目指した。