




PROJECT MEMBER
クライアントはハノイに住むベトナム人である。 敷地はハノイから車で1時間半ほどのベトナムの北部の都市、ヴィンフックにある。 週末はハノイを離れ、空気がきれいなこの場所で、家族や友人とゆっくりと過ごしたいというのがクライアントの要望である。 東南アジアの国であるベトナムは蒸暑地域で、特に北部は湿度が高い。 高温多湿な気候にも関わらず、ベトナムの一般的な住宅は決して風通しのよいものでなく、つよい日射を配慮した建物ではない。 この週末住宅は、蒸暑地域に適した建築のかたちを模索したプロジェクトである。 通風、日射を考慮し、今は失われつつあるベトナムの伝統的な木造屋根や建具の形式を用いた。 敷地は、東側をヴァック湖に面した別荘分譲地 である。 角地であり、敷地の南側と東側を道路に接していている。 夏季に南東からの風が吹くこと、東側に湖の眺望があることから、1階から3階までの南東面が開放される建具を用いた。 南東から入った風が抜ける北西面には、通風とプライバシーを考慮したオリジナルブロックを用いた。 開放された南東面には眺望を楽しめるバルコニーを配している。 バルコニーは層ごとに建物を平面的にずらしてつくられている。 これによって生まれた反対側の北西面では、上階の床が下階の庇になり躯体の温度上昇を防いでいる。 温度上昇の緩和については、いくつかのパターンで解析をし、湖側のバルコニーの計画もあわせて最適解を求めた。 屋根は木造勾配屋根として頂部に排煙窓を設置している。 2階、3階の吹抜部分から煙突効果で風が抜けることを期待している。 この屋根の構造は現地のベトナム人の大工と検討を重ねて構造を決定した。 解析などの現代的な手法を用いつつ、ベトナムの伝統的な技術を利用し、ベトナムの気候、文化に実際に有用な部分だけでも後世に残せればよいと考えている。

