




敷地の南西は隣家に囲まれ、北側の全面道路の先には保育園が所有する広い駐車場、その先には南向きの斜面に建つ1000戸を超える県営住宅のバルコニーが見える。 朝夕の保育園児の送迎や、県営住宅からの視線、隣地店舗の来客からプライバシーを守る配慮が求められた。 元々この場所に住んでいた建主がこれまでに育んできた地域との関係性を考慮しながら、周辺環境との距離の取り方を模索した。 そこで、道路側に環境のバッファーとなるような境界=前室を作ることにした。 解放性と囲繞性を併せ持つ前室が内部環境を調整する。 このレイヤーによって生まれる開口の重なりが、居住空間においては時に地窓となり、時にはハイサイドとなって、プライバシーを守りながらも心地良い風や光を内部に届ける。 前室と中庭に挟まれた内部空間からは、周囲の視線や送迎の喧騒を気にすることなく、フレーミングされた空の広がりや、行き交う車、人の流れを眺めることができる。 周辺環境と心地良い関係性を保ちながら、穏やかでおおらかな生活がここでは育まれている。
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