CIPRESAIA RESTAURANT

ワイン、タパス、そしてアクション! 25年以上にわたり、*Cipresaia(シプレサイア)は映画監督であり、美食家であった "Quico Viader“(キコ・ヴィアデル)のプロデュースにより、美味な料理とボヘミアンな雰囲気が楽しめるレストランであった。2006年の閉店から15年を経て、プロヴァンス料理の若手シェフが新チームを組み、今までとは異なった料理、そして斬新な空間のリニューアルオープンを遂げ、再スタートを切った。様々な美食レストランが集まるジローナの旧市街にそのレストランは位置し、オープン直後、ミシュランガイドの一部に加わった。 レストランのコンセプトは俳優、脚本家、監督であり、このレストランの創業者であるQuico Viaderへの敬意を表し、映画(演劇)的な要素が組み込まれいる。そのため、エンターテイメント的な世界感が至る所に垣間見られる空間となっている。 旧市街の人通りの多い一角にあるCipresaia。大通りに面する大きな窓からホール内を覗いてみると、まるで映画館の巨大スクリーンに映し出された映像の様に来客の様々なアクションがうかがえる。レストラン内のスペースはあまり大きいと言えないが、バー、フロア、ロフトの3つの異なった空間(ここでは映画のセットといいましょう)に分かれ、各々異なったCipresaiaを味わうことができる。このレストランのデザイナー、Jordi Ginabreda(ジョルディ・ジナブレダ)氏がこれらの3タイプの映画のセットに各々の異なったシーンを描き、最終的には一つのストーリが楽しめる、まとまりがある、斬新でユニークな空間と仕上がった。 バーカウンターは半円形のグラスラックがにより美しく照らされ、さらにロフト部分を支えている。フロア部分にはテーブルの配置によって角度が変動可能なモービルウォールライトがあり、セレクトされた一流のワインが陳列され、その下にはテーブルが組み込まれたウォールナット製の巨大なワインラックが設置されている。 エントランスにあるライトボックス看板から始まり、ビンテージ感のあるレトロな壁、そして真紅のベルベットのカーテンがお客様を舞台に導く。さあ、ショーの始まりです。この場では来客が主人公となり、各々の席(ステージ)に座って頂き、お食事という楽しいひと時を演じていただくのです。 “第二部の演目ほど素晴らしい演目はない”、と誰が言ったのでしょうか? *Cipresaia(1978-2006) Quico Viader(キコ・ヴィアデル)、本名Francesc Viader Martí(フランセスク・ヴィアデル・マルティ)脚本家、俳優、映画監督として活躍。美食家でもあったため、地元であるスペイン、カタルーニャ自治区のジローナにてレストランを1978年に開業。斬新でカタルーニャとプロバンスのフュージョン料理を提供し、有名人も訪れるほど人気なレストランだったが、惜しくも2006年に閉店。

メンバー

クレジット

  • 設計
    Jordi Ginabreda Ferrés
  • 担当者
    2jA Investments
  • 施工
    Jordi Ginabreda Ferrés
  • 構造設計
    2jA Investments
  • 撮影
    Marcela Grassi

データ