山林のラウンジ

ビルディングタイプ
カフェ
8
561
日本 神奈川県

DATA

CREDIT

  • 設計
    株式会社シオ建築設計事務所
  • 担当者
    子浦 中 / 川鍋 哲平
  • 施工
    株式会社セゾン
  • 撮影
    淺川 敏

かまぼこに代表されるような海産物の街として認識されている神奈川県小田原市には、約4,000ha の山林があ り市域の約40% を占めているが、誰もがそのように認識していない。  このプロジェクトは、さまざまな人の出会いや交流を図るための街に開いた小田原のコワークスペースのカ フェ、バーラウンジを作ることである。この施設は、小田原市を中心とした起業家の起業支援を行うことや、出 会いと発見を創出することを主な目的とし、神奈川県、小田原市から補助金と小田原の財団で運営している。そ のため、小田原にこだわり地場の材料、特に山林資材を使うこととした。一方で、私たち建築の人間が山林を保 護する方法として、伐採をした資源を建材として生かす一つの方法が考えられる。そのため運営側と設計が同じ 地場の山林資材を使うという考えのもとラウンジを作り、たくさんの人に小田原の材料を知ってもらうことを目 的とした。地場産の木材は、地場で加工し天井材、カウンター材、建具、机などの家具に使用した。床の左官は 山林から採取し、三和土とするなど徹底的に地場産にこだわった。  ラウンジはワンルーム平面とし、誰もが見渡せ誰がどこにいるか把握しやすいようにした。扉を開けると大き な幹を脚に使った丸テーブルが利用者の目に入り、利用者を驚かせる。次に、皮付一枚板のカウンターがどんと 構える。厚みのある年輪の天板のスタンディングテーブルの質感に驚きながら、利用者はこれらを様々な使い方 で使うことで、利用者同士の交流を図る。またシーリングライトが、幅広の杉の天井を照らし山林のラウンジを 暖かく照らすことで街を歩いてる人々が立ち寄りたくなる街の公園のような場所を目指した。  将来的には森林の農産物が買えたり、 身の回りのものが山林の木であったりすることで地域住民の生活の中で 山林との結びつきを強めていくための最初のプロジェクトである。

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物件所在地

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