
PROJECT MEMBER
建物は高知市五台山の麓にある護国神社よりほど近く、ジブリ作品「海が聞こえる」の聖地巡礼場所にもなっている立地に位置しています。 しかし、空き家となっていた期間も長かった為か、内部の雨漏りや床の沈みなどの不具合が随所に見られました。 また立派な和風の外観とは裏腹に、既存内部の仕上げには魅力が感じられませんでした。 そこで私たちはこの建物をリノベーションし、一棟貸しの魅力ある宿泊施設へと蘇らせるべく、内部仕上げの変更に重点を置くこととしました。 まず、既存の仕切りを一掃し、食堂とリビングを繋げる場所には、大人たちがくつろげるミニバーを設けました。 広々とした食堂には多様なイベントに対応可能な大きなテーブルを備え、ここでの滞在が特別なものとなるよう心掛けました。 またかつて既存茶室の待合であった場所には露天風呂を設置し、湯船に浸かりながら庭園とゆっくり対峙できる空間としました。 所有者の変更に伴い、建物への意識も変わり、負担だと思われていた空き家が魅力的な資産へと変貌しました。今回のリノベーション事例が、今後の空き家問題の解決策の一助になればと思います。