本郷の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 設計
    株式会社山田伸彦建築設計事務所
  • 担当者
    奧山 香菜子
  • 施工
    吉武建築株式会社
  • 撮影
    Nacasa&Partners 金子美由紀

 宮崎県宮崎市の改修住宅。  父親(亡父)が建築した家の記憶としての和室を残したいという要望と今の自分たちの生活にフィットしたいという一見相反する希望とともにまた、趣味のキャンプ用品などを用いて、友人を招いて過ごす外部を含んだ過ごし方やライフスタイルを望まれていた。また現在のリビングダイニングのほの暗さの改善も望まれていた。  続き間の南西側の和室を土間空間として通常のレベルから1段下げることでたまりを作り、滞在する場所として設えることに加えて隣接する本格的な和室をアートのようなショーケースに見立てて、空間に参加させた。部屋として独立させてしまうと使わない(見えない)場所になるため、常に見える位置にあることでの建築のあり方もあるのではないかと考えた。部屋同士の仕切りを取り払い広いワンルーム空間とし、外まで繋がるような空間・居場所づくりを行った。 中心の階段の登り位置を反転させて角度を約11度振ることで、静的な整然とした空間に動きをつけて場所の濃度を変化させた。また外観はほとんど手を加えずに、外構(庭)では元の駐車場の位置と和風庭の位置を反転、内部空間に対応させてデッキをリビングの延長線上にもうけている。  天井杉のリブパネルが、回収によって出てくる旧い材料や生々しい素材などと新しい要素(左官壁・広葉樹フローリング・シンプルな白い壁など)を調停させてくれるのではないかと考えて素材選定をしている。施主とともに作り上げた住宅である。

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