
PROJECT MEMBER
敷地は沖縄南部に位置する南城市の海から直線距離で約200m離れた傾斜地である。 本建物は施主が不在の間は民泊として貸し出す形態をとっている。 不特定多数の利用者が多く、”魅せる・集う・楽しむ”という要素に特化したエンターテインメント性の高い建物としたいとの要望から、プール・ジャグジー・ベンチ・サウナ ・木梁・特注シャンデリア・アンティーク家具と利用者が楽しめる要素を随所に散りばめている。 建物のメインフロアとなる2階は玄関から室内に入るとすぐに大開口越しの広大な海が目に飛び込んでくる。海側の大開口もあえて庇を付けないことで、空と海の広がる眺望を遮ることなく存分に楽しめる造りとしている。日差しが強い時は、各開口部の両端に収めた網戸を引き出すことで日射を軽減できる。 キッチンと作業台は数人で一緒に作業できるように十分な広さとゆったりとした動線を確保した。各部屋とテラスをつなぐ開口部は段差がなくフラットにアクセスできる。ダイニングやソファーに腰かけてプールを見ると、木々や海と繋がるインフィニティプールとなる。プールサイドには鳥も憩いにくるので、鳥のさえずりやさざ波の音も相まって自然との距離を近く感じる。 1階で開放的な眺望が望めないサウナ室には海が望める小さな窓を設けた。それとは対照的にととのいスペースは大開口から水平線を眺めながら寛ぐことができる。水風呂コーナーの五右衛門風呂は、ととのいスペース利用者によって視線を遮られることなく水平線を楽しめるように段差を設けた高い位置に並べている。 建物の白い外壁は、投影される周辺木々の影や庇の影、左官のランダムな塗り仕上とすることで季節や時間帯によって表情が刻々と移り変わっていく。