
母屋と別棟になっているキッチン(浴室・サンルーム)の改装。 周りを屋敷林に囲まれ、その先には水田が広がる。そばには大きなクスノキが枝を垂らす。そんな場所にこの別棟のキッチンは立っている。 この別棟は築35年が経過しており設備や配管の老朽化、さらにそれらに起因する壁・床の汚れが目立っていた。また無断熱であった為、夏は暑く冬はストーブが近くにないと過ごせないという状態だった。 この改装では断熱改修をしながら、断熱で必要になる部分を活かして空間の魅力を向上させる事を考えた。 断熱のために必要となった二重床は目線を上げ周りの緑をより楽しむために。腰壁は出窓のように空間に広がりをもたせる役割を同時に担っている。またこれらの断熱により少し狭くなった空間に対して勾配天井が広がりと光の変化を生み、現れた丸太の梁と桁が以前とは異なる空間のイメージをもたらしている。 新しくなったキッチンは読書などにも使えるちょっとしたスペースがあり、家事をするだけではなく時間の移り変わりを楽しむ“ 過ごす ”ための空間となっている。