




築95年の京町家を改修した住宅です。 かつて西陣には織物職人の工房兼住居が建ち並び、この町家もその一つでした。新しい家主も自宅を仕事場としますが、その職住一体の暮らしは西陣の歴史に深く根付くものです。ならば町家の姿形だけでなく、生活と商いが混じり合う豊かさも残したいと考えました。ミセノマは仕事場に、ダイドコはキッチンにといったように、往時の使い方もできるだけ引き継いでいます。 西陣町家の特徴である背の高い織機を置くために掘り下げられた土間は、形はそのままにモルタルで包みリビングとしました。高さの違う床が、ひとつながりの空間の中に小さな居場所を生み出しています。糸屋格子から光がにじむ書斎、灯りのともる小さな食卓、そして竪穴住居のような半地下のリビング。それらを季節や気分にあわせて渡り歩くような、気ままで懐かしい住まいです。

