




PROJECT MEMBER
公園をまとう 海辺の公園の中に建つ、公園と一体的に利用されるホテルの計画。 公園を延長してできた大きな階段がホテルを覆い、公園・海・建築をシームレスにつなげる。建築が公園を纏うことで、そのどれでもない、それらの間のような存在とならないだろうか。 福岡の北東部、東に穏やかな海を有する敷地。元々は漁村で、その後美しい海の景観を活かして旅館が立ち並んでいたが、時が流れ人気のない土地となっていた。そこに、近年ビーチスポーツ、マリンアクティビティが盛んな海水浴場とコンパクトな海浜公園が整備され、活気を取り戻しつつある。 クライアントはこの海浜公園を運営する会社である。地域の活気を取り戻す起爆剤として、公園内にリゾートホテルを建てる計画が立ち上がった。公園とホテル、相互に価値を高め合うような建築が求められた。 公園は誰でも訪れるパブリックなものであるのに対して、ホテルはゲストが貸し切って使うプライベートなものである。また、そもそも公園や海といった広大な自然の中に、人工物である建築をどのように位置付けることができるか。このように相反する物事を緩やかに統合する建築のあり方について、検討を重ねた。 敷地の前面には既存の遊歩道があり、ウッドデッキが敷かれている。そのウッドデッキを立体的に拡張させて、巨大な階段空間をつくる。階段は建築を覆い、客室と海をつなげる動線となる。階段の途中には大きな踊り場や海を向いて座れるスペースがあり、ホテル利用者も公園利用者も使うことができるテラスとなる。また階段は大きなルーバーとしても機能し、東からの強い日差しや公園からの視線を適度に遮ることができる。大きな階段全体を引いてみると、海に向かう大きな客席にも見えてくる。 大きな階段が、公園・建築・自然そのどれにも属する緩衝空間となり、それらを緩やかに統合する。そのどれでもない、それらの間のような、常にその存在が揺れ動いているような状態を目指している。

