
PROJECT MEMBER
ニッチフレグランスを専門に取り扱うNOSE SHOP 福岡のインテリアデザイン。 NOSE SHOP代表の中森友喜氏がパーソナリティーを務めるポッドキャスト 「NOSE knows」が「香りの言語化」に挑んでいることをインスピレーションに、 店舗空間における「香りの視覚化」に挑みました。 「香り」が季節や天気、さらには体調や気分よって、異なる印象のものとなることから、 その印象を視覚化する手法として、マテリアルに意識を向けました。 香水を構成するマテリアルの多くは既知のものでありながらも、その組み合わせよって 印象的なものとなることから、インテリアにおいても通常は下地として用いられるような 既知のマテリアルの組み合わせで新鮮な印象を与えられないかと考えました。 天板は、香水のトップノート、ボディノート、ベースノートという複層的な構成に倣い、 複数のマテリアルを積層しました。これにより、見る角度によって、反射やゆらぎのようなものを 感じさせることを目指しました。什器や柱棚の側面には、セメント板を用いて、ニュアンスのある 表情でありながら、魅力的な香水を引き立てる背景となるよう考えました。 そして、福岡初出店となることからも、都会でありながら、水辺や自然が身近にある土地の 魅力も内包出来ないかと考えました。質感は都会的でありながら、水面を連想させる天板と、 山や岩を連想させる形状といったように、什器の構成に一つ一つ落とし込んでいきました。 矩形の角を落としたような形状は、周遊性を高め、店舗での滞在時間を永く豊かなものにしてくれます。