
DATA
- ビルディングタイプ
- 美容
- 延べ床面積
- 45㎡
- 竣工
- 2018-05
CREDIT
- 設計
- PAN- PROJECTS & mok architects
- 担当者
- PAN- :八木 祐理子、高田 一正 mok: 森田美紀、小林優
- 施工
- 株式会社 岩佐工務店
- 撮影
- 大竹 央祐
K-Hairsalonは、三重県伊勢市に位置する美容室の内装計画である。クライアントの、町に開かれた美容室にしたいという想いから、我々は外部から切り離されがちなインテリア空間を、街から内部空間まで一連の体験がシームレスに接続されることを目指した。 美容室が入居する既存建物は、異なるトーンのピンク色で仕上げられた特徴的な外観を持っており、この色を内部空間へと引き込むことで、内外へと続く色を巡る体験を本計画では生み出すようデザインされている。 45㎡という比較的狭小な空間に、美容室の必要機能を効果的に配しつつ、各エリアに適度な自立性を保持させるため、我々は異なる素材やそれに伴った色合いを持つ、多様な建て具を配置している。色調は外壁の薄ピンク色から始まり、内部空間の奥へと進むにつれ色が濃くなるようグラデーショナルに設計され、この狭小な空間に奥行きを与えている。 エントランスに位置する受付エリアは、薄ピンク色のタイルと濃いテラコッタ色の棚で作られたレセプションデスク、そしてピンク色のアルミ合板と戸棚の組み合わせで構成されている。これら一連の建て具は、エントランス周辺の動線を自然に誘導すると同時に、奥に位置するシャンプーエリアのプライバシーを、視線をコントロールすることで守る機能を併せ持っている。レセプションエリアは受付のみとしてではなく、待合エリアとしてカフェのように一息つく場所としての役割を持っており、訪れた人々を迎え入れる、町との開いた接点として機能している。 最深部に位置するシャンプーエリアは、濃いトーンのマテリアルに囲まれることで落ち着いた雰囲気を演出すると同時に、垂れ壁によってシャンプーエリアとスタッフの作業スペースを区切ることでリラックスした空間を生み出している。 異なる色や素材を、各エリアの機能に合わせて組み合わせていくことで、各空間の機能的な要求に対応すると同時に、外部から内部へとシームレスに連結する空間性を生み出し、狭小なスペースを広い外部のコンテクストと結びつけることで、空間に奥行きを持つ豊かで多様なインテリア空間を達成した。