
PROJECT MEMBER
建築と自然の融合「森の器」 ホーチミンから東に100km弱離れたビンチャウという緑豊かな村にある温泉リゾートが本プロジェクトの敷地に当たります。 ここには、ベトナムでも数少ない貴重な温泉の源泉があり、この温泉をより活かした集客力がある施設に更新することが命題とされました。 いわゆる設計要求がなかったため、先ずは、企画段階からプロジェクトを開始しました。我々は敷地の一部である北東部をSPA/ONSENエリアとし、森と融合した温泉テーマパークとする提案が通り、設計するに至りました。 今回はその中の「温泉エリア」の中でレセプション・更衣室(屋外の温泉は水着に着替えて利用)・ONSEN(室内)・レストランなど機能を持つ中核施設となるゲストハウスをメインに紹介します。 ゲストハウスでは、敷地の南端(エントランス側)の地面をめくり上げるような形で、2階レベルまで地続きの人工地盤をつくりました。これにより、北側の森(SPAエリア)からは傾斜状に地盤面と緑が続き、建物の圧迫感がないようなにしています。また、めくり上げた南側には地盤の切断面に2箇所の膨らみをつけ、それぞれ一般とVIPのシンボリックなエントランスとし、めくり上げた豊かな森から自然の息吹が溢れ出るかのように、端部からは水や緑を滝のように落とし、賑やかなエントランスを演出している。 豊かな自然が広がる地盤面上には周囲に馴染む勾配屋根を掛けた各施設(温泉、)を配置し、一般的な2階建ての建築とは全く違った自然を直に感じられる施設とし、インテリアにも、鍾乳洞、水紋、木立、地層など自然のイメージなどを取込んでいる。また、亜熱帯の地にある温泉プールならではの膜屋根を設置することで、現地に合った温泉文化になるような仕掛けを作っています。 我々が設計した施設は、温泉という大地の恵みの恩恵を表すシンボルとしながら森と一体となった「森の器」のような建築を目指しています。 今後、更に豊かな植栽が地盤面を賑わせ、建築と渾然一体となった新たな森に成長することを願っています。