
PROJECT MEMBER
『醸造される食・場・人間関係』 このプロジェクトはオーナーが惚れ込んだ古民家を再生する改修工事です。 お酒をテーマにした飲食・物販・民泊にしたいと要望を受け「醸造」をコンセプトに古民家の特徴を活かし、場と人間関係の価値が上がり続ける場を提案しています。 また、この建物の価値を上げるための条件として地域住民が仕上げを工事することが必須であったため、樽の曲線をモチーフとした強い空間構成により全体像を作ることで、統一感のある全体像になるようデザインしています。 結果的にデザインによる「形としての資産」と地域住民の関わりによる「無形の資産」の両立により、この建物の価値を最大化しています。 【前提条件】 ・古民家の仕上げを最大限活かすこと ・建物の価値が継続的に向上し続けること ・酒樽を保管できること 【コンセプト】 “Barrel” 〜醸造された食・場所・時間を味わう〜 樽によって醸造される味わいを。 ここにしかない場所と時間を。 ここは様々な人や事が集まり、関係や物事を時間をかけて熟成させる場所。 それぞれの速さやリズムで。 自分次第の心地よい距離感で。 ゆっくりと流れる時間と積み重ねられた歴史の深みを味わえる居場所。 【空間構成】 各部屋の用途に合わせて、「barrel・樽」の曲線をモチーフとした操作を加えています。 ・曲線の下り壁で落ち着いた場所をつくる飲食店 ・酒樽に囲まれたような販売店 ・大きな樽の中で寝泊まりする民泊 【照明デザイン】 古民家の経年劣化した素材感を活かすため、陽・陰が共存するメリハリのある計画としています。 古民家に本来あるべき明るさを建物に与えることで、日本らしい美意識を継承した空間を蘇えらせています。 【設計・施行の過程のデザイン】 このプロジェクトは設計・施行の過程段階から、多くの地域住民やボランティアの皆さんと関わりをもってきました。 これにより建物ができた時点で、この建物の使い方を理解し愛着を持つ地域の方々が多く存在し、単なる改修では得られない無形の資産が蓄積された建物となりました。 土壁などの仕上げも、オーナーとボランティアさん・大工・設計者など、関係者全員が対等な関係で意見を出し合い決定されてました。