
都心から新幹線で1時間程度の距離に位置する群馬県高崎市に計画された地上3階建ての二世帯住宅である。間口約6メートル、奥行き約13メートルの細長い土地で、南側は幅4mの道路、北東は墓地に面しており、周囲を3階建ての住宅に囲まれている。 クライアントの要望は、十分な採光が取れ、風通しの良い二世帯住宅とすることであった。私たちは、1階を両親のための空間、2階と3階をクライアント家族のための空間として設計した。 墓地を、住宅街の中に存在する普遍的で開かれた場所として捉えることで、一定のプライバシーを保ちつつ、望ましい雰囲気の空間を作り出すことができた。墓地に向かって開く窓から3層の階段の吹き抜けを通じて、安定した光と風通しを確保している。その空気感を家の中全体で共有することにより、二つの世帯はそれぞれの異なるライフスタイルを持ちながらも、互いの存在をより大切にすることができると考えた。また、この建築のメインとなる設計は、南向きに拡張された庇を備えた屋根であり、それは家全体を包み込むと同時に二世帯の共生を体現している。 この住宅の梁は、プランに関わらずさまざまな方向に架けられている。それにより、内部に柱を構築することなく、コンパクトな空間内の部屋同士を接続することができた。梁と同じ方向に立てられた壁はなく、梁がスペースを区分すると同時に、オープンスペースを提供している。壁は空間の終わりを示すものではなく、空間に方向性を与えるものとなった。階段の吹き抜け、さまざまな方向に架けられた梁、そしてそれらを包む屋根によって家全体が一つのつながりを有している。
