DATA

CREDIT

  • 設計
    DESIGN&CREATIVE ASSOCIATES
  • 担当者
    川口淳志、Tran Quoc Doanh、Le Minh Dung
  • 施工
    DESIGN & CREATIVE ASSOCIATES
  • 撮影
    大木宏之

NAB STUDIOはモバイルアプリ開発業務を中心とした、ベトナムの先駆的なIT企業である。 今回、事業拡大に伴う人員増加により、オフィス拡張と働く場の環境改善を目指し、より快適なオフィス空間の計画をすることとなった。 様々なプロジェクトをかかえる同社では、プロジェクトごとにチームを作りメンバー同士での活発なコミュニケーションが不可欠である。ときには一人で集中して作業できるようなスペースも必要である。 以前のオフィスに不足していたこのような要求に応えられる空間を実現し、機能的で生産性がアップできるオフィスを目指した。 入居するオフィスビルはホーチミン市7区の開発されたエリアにあり、室内からは緑に囲まれた大きな人工池の眺望が得られる抜群のロケーションにあった。 レイアウトは執務スペースを全体の中央にまとめ、それを囲むようにして周りにMTGルーム、バックオフィス、ラウンジなどを配している。またビル共有部を挟んでCANTEENがある。 オフィスの広さは以前の2倍になったが、天井高は以前が4000mmであったのに対し今回は高さ2450mmと体感的にもかなり低くなり、クライアントからも低さを極力感じないような工夫を求められた。 天井パネルを撤去して高さを確保することも検討したが、配管や空調ダクトが乱雑に設置され、天井露出仕上げとするのは難しい状態であった。 解決策として浮かんだのが、波型の天井であった。 単調でフラットだった天井に曲線の連続でリズムを生み、凹凸で立体感を与え、天井の低さを感じさせないよう工夫した。 一つの波型のパネルは幅300mmで、執務スペースの上部に400mmピッチで設置した。パネル間の100mmの隙間には照明や空調の吹き出し口を配置している。スチール製のパネルは、ツヤありの塗装をすることで外光を適度に反射させ室内を明るくすることにも寄与している。 チーム内のコミュニケーションがとくに重要なデザイン・開発部は、向かい合う2人1組のデスクをずらしながら配置することにより、隣同士になるものが斜めに向き合うこととなり、互いの距離感が近くなるよう工夫した。 オープンスペースは広く取られ、 休憩だけでなく個人作業、チームミーティング、イベントなど働き方に合わせて多目的に利用できるようにしている。

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