フロントプレイス千代田一番町

ビルディングタイプ
オフィスビル
13
1,033
日本 東京都

DATA

CREDIT

  • 撮影
    株式会社FOTOTECA
  • 設計
    株式会社三菱地所設計
  • 担当者
    本田輝明、平松祐大、張替依里
  • 施工
    株式会社錢高組

東京都千代田区一番町、半蔵門駅の至近に建つ賃貸オフィスビルである。新型コロナ禍を経て多様化する働き方や価値観に対応する「賃貸オフィスビルのニュースタンダード」の構築を企図した。 各階で形・色の異なる、面積除外された出窓が集積したファサードは、既成サッシと4パターンの「コの字」型のPC板の組み合わせで構成し、経済合理性との両立を図った。 出窓内部のカウンターは、さまざまに高さを変えることでベンチ/棚/デスクなど、多目的に活用できるよう設計した。これによりペリメーターゾーンの使い方を拡張し、多様な働き方を受容するのと同時に、まちと事務室をつなぐ中間領域としても寄与する。また、坂のある立地条件を活かし、1階には植栽に囲まれたベンチや壁面緑化のあるテラスを設けることで、敷地内外の視線の交差や人の滞留を生み出し、まちとのつながりを感じられる空間を創出した。 その他にも、全ての事務室空間に空気式輻射空調システムを実装し、自然換気窓を導入したほか、完全非接触での入退館を実現するなど、多岐にわたる取り組みを行い、賃貸オフィスビルとしては日本初となる「WELL v2」の予備認証の取得に至った。 敷地周辺地域のコンテクストとして、皇居の濠や大使館の石垣、靖国神社の石積をヒントに「積石」をコンセプトとしたアイコニックな外観を目指し、モチーフとしてサインや外構計画にも展開している。 賃貸オフィスビルは、異なる文化や社風を持つテナントの集積である。その特性をファサードに表現し、調和と多様性を兼ね備えた新しい可能性を提示できたのではないかと考えている。

物件所在地

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