
DATA
- ビルディングタイプ
- レストラン
- 延べ床面積
- 150㎡
- 竣工
- 2019-01
CREDIT
- 設計
- PAN- PROJECTS & mok architects
- 担当者
- PAN-:八木 祐理子、高田 一正 mok: 森田美紀、小林優
- 施工
- Indretningsfabrikken
- 撮影
- Yuta Sawamura
本プロジェクトはデンマーク、コペンハーゲンを中心に数店舗を展開する日本料理屋IZUMIの内装計画である。クライアントによるレストラン全体に置けるリブランディングのプロセスの中で、我々は新たなレストランのコンセプトである「Japanese cuisine with a Nordic twist」を空間体験によって表現することが求められた。 日本と北欧の間では昔から豊かな文化交流が続いており、特にデザイン分野では日本からのインスピレーションを得て、ここデンマークで独自に発展したものも多く存在している。そのような例をもとに、「日本的」であると考えられるものが、デンマークという場所に入った時にどのような変換(twist)が起こり、その場所のものとして根付いていくのかを考え空間に落とし込んで行った。 中でも象徴的なキッチンを覆う緩やかにカーブを描いた木製のパネルは、日本木造建築におけるモジュールシステムを応用し全体の構成をデザインしつつも、パネル一枚一枚のデザイン自体は北欧の伝統的な曲げ合板の技術から発想を得て作られている。そして意識的に北欧の家具一般に使用されるオーク材を仕上げに選択したことによって、パネル一枚からの印象と、パネルが集まった時に作り上げる室内風景の印象とを異なるものとした。 このような全てのデザインに対し、私達設計者が日本的なデザインをデンマークという場所において求められデザインする際に、デンマークという土地で慣れ親しまれた技術と素材などといった、文化やコンテクストを尊重しつつ、日本的なるものデザイン作業を通し文化的な変換を行っている。 結果として出来上がった空間は、全体の印象が日本的でも北欧的でもあり、どちらでもない、訪れた人々の文化的背景によってどのように捉えるのかが異なるものとなった。