
補足資料



PROJECT MEMBER
川越で観光農園を営む農家さんの母屋建替え計画です.既存の母屋は築50年ほどでしたが,随所に良質な建具が使われ,瓦の乗った入母屋屋根の典型的な農家のつくりでした. 周辺は市街化が進み,このような武蔵野の農家の佇まいが連なる景観は急速に失われようとしていました.そこで建て替わる新しい母屋は,周辺環境に馴染む低いプロポーションに抑えた越屋根を持つ家とし,畑をそよぐ風を利用した通風や採光などを採り入れると共に,新しくも昔からそこに建っていたかのような佇まいとなるよう心がけました. 南側には広い縁側を設け,農作業後の休憩や近所の方たちとの交流の場となるよう,室内とも連続した開かれた作りとしています.室内には上足で上がる現代的な土間空間を設けることで,幾重にもレイヤードされたバッファー空間となるようにしています.このことにより,室内と屋外とはまもられながらも一体につながったような空間となりました. 泥だらけで帰宅しても気兼ねなく入れるように裏動線を設け,帰宅後は着替えから入浴,洗濯までを最短の動線で済ませられるようにしています.バスガーデンのある浴室は,家族の一日の疲れを癒やしてくれます.