鮨然

ビルディングタイプ
レストラン
6
203
シンガポール

補足資料

古い民家の木材を1つ1つ選定し加工する
その他
数寄屋建築の建築要素を現代的な素材によって表現する
その他
現代では見ることが少なくなった手作業による舞箔壁
その他
古民家の柱の腐食した部分をガラスによって修復させる
その他
シンガポールの歴史的な舗装と数寄屋建築の舗装の技術を重ねる
その他
竹編を面として用いさらに交互に編み込むことによる奥行を感じる天井
その他
平面プラン
図面

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 撮影
    odd
  • 設計
    odd
  • 担当者
    出口勉 / 岡本慶三 / 邸俊巍 / 李恒
  • 施工
    NOVELTY

現在、AI知能の発達により、多くの芸術分野でその感覚が失われています。 絵画も音楽も建築も空間も、人工的な技巧や工夫を捨てた個性のない実験的で完璧主義の時代に入っています。商空間の世界でも、尖った「形」にならって、世界各地で同じような競争が行われています。 東洋の内面に根付いた美意識に「金継KINTSUGI」という概念があります。磁器の破損した部分を金漆で接着し、金などの金属粉で装飾する修復技法です。それまで価値がないと思われていたものや材料に、新しい命と価値を与えています。情緒的な感動は質感で生まれ、繊細な陰影や質感は手で作らなければ生まれません。今回の鮨然もそういう思想を大切にしながら設計しました。 今回扱う旧素材と新素材との結合と修復によって生まれ変わる多くの要素は通常の図面では表現できないため、様々な職人さんと対話を続けていきました。それは人工知能の台頭やシステム化された工法や既成品と違って、現代では不合理で遠回りに見えますが、建築の同質化によって失われつつある情緒空間を再認識しようとしています。この空間で提供される料理や器は、建築と一体となり、手作業によって生み出される自然の素材と生み出される陰影が空間を共有し、共生的にたたずんでいます。流行による瞬間的な「形」で消費されるのではなく、「文化」を継承し、「時間」を保ち、「未来」まで長く愛されてほしいと願っています。

物件所在地

6