アヤンナ宮古島

ビルディングタイプ
ホテル
12
631
日本 沖縄県

補足資料

配置図
図面
さとうきび型枠
その他
さとうきびのバガス入り左官壁
その他
サンゴと琉球石灰岩を含む版築壁
その他

DATA

CREDIT

  • 撮影
    Alien design & photography / アヤンナ宮古島
  • 担当者
    大出真裕 / 大澤篤史 / 衛藤茉鈴
  • 施工
    有限会社島尻建設
  • デザイン監修
    HOKULEA Inc.
  • 運営
    スターリゾート株式会社

宮古ブルーと呼ばれる世界有数の透明度を誇る海に臨む、わずか7室のラグジュアリーリゾート。琉球の伝統と現代建築の調和を極めた独創的な空間設計により、沖縄建築の新たな可能性を提示する。 2023年9月から2024年4月にかけての大規模リノベーションでは、全室に海を臨むインフィニティプールを設置。室内からプールを介して海へと溶け込むような視覚的な連続性を実現し、建築と自然の境界を曖昧にすることで、より深い没入感を生み出している。 デザインの核となるのは、東南アジアの建築美学と琉球文化の融合。現地の風土に根ざしたアースカラーを基調とし、手焼きのテラコッタタイルが織りなす陰影は、移りゆく太陽の光とともに建物に豊かな表情をもたらす。 最も特筆すべきは、地域の主要産業であるサトウキビ産業との革新的な協働である。サトウキビの搾りかす(バガス)を建材として再構築する試みは、サステナビリティの実践であると同時に、独自の意匠性を確立している。 レセプションエリアでは、コンクリートの骨材の約15%をバガスで代替。さらに型枠にサトウキビを用いることで、有機的なテクスチャーを実現。時とともに深まる味わいは、まさに「生きている建築」を体現している。 客室は低く抑えられた建築ラインは水平線と呼応し、極限まで洗練された什器は、目の前に広がる雄大な海の存在を際立たせる。これは、建築を自然の従属物として捉える伝統的な日本建築の思想を、現代的に昇華させた表現といえる。 この建築は、地域性・サステナビリティ・意匠性を高次元で融合させ、新しい沖縄リゾート建築の在り方を提示している。

物件所在地

12