
1924年、義務教育免除地の悲願の学校として生まれた大赤沢小学校が、2021年に廃校となった。その歴史を引き継ぎ、生まれ変わった「アケヤマ」は、秋山の語源でもあり、山の共有地を意味する「明山(あけやま)」から命名。「人間の生活の力をふたたび手に入れるための学校」として、住民、研究者、アーティストなどさまざまな人たちと「共有地」の技術や信仰を学び実践する取り組みを行っている。 この「アケヤマ」がこれからも、訪れた人々にとっての動き続ける学びの場となるために、旧小学校2階の体育館を使った活動拠点を設えた。体育館の中央の床を剥がして凹地を作り、この場所にやってくるさまざまなヒトやモノが留まるための”空け地”(=明け地=コモンスペース)を据えている。その凹んだ空け地を囲むかたちで、各作家の仮設的な制作ブースが展開している。施工は津南町の山田建設さんに担当してもらった。多雪地域の流通材である120×30mmの間柱材を多用して組み立て、改変や増築も容易なものとしている。季節が回り、訪れるたびに状況がどんどん変わっていくような、常に発見と更新のある動的な場となっていくことを目指している。 (佐藤研吾)