YUFUIN VILLA

ビルディングタイプ
別荘

DATA

  • ビルディングタイプ
    別荘
  • 構造
    木造
  • 工事種別
    新築
  • 延べ床面積
    519.48㎡
  • 竣工
    2024-02

CREDIT

  • 撮影
    Kouji Okamoto ( Techni Staff )
  • 設計
    (株)環設計工房+角建築研究室
  • 担当者
    鮎川透、石橋光男、角大輔、山根千晴
  • 施工
    株式会社 平野工務店
  • 外構
    (株) ランドスケープむら
  • 照明 
    B&Lighting

 九州の避暑地として賑わう由布院の地域特性は、シンボルとしての由布岳/外部からの観光客やマーケットの参入/地元(ムラ)ネットワークの強さなどがあげられる。また、昔ながらのムラがもつ自然の静けさと、外部参入からによる賑やかさが混在した地域であり、まちがもつ昔ながらの「静」と現在の「動」のバランスが変化しながら更新を繰り返している地域である。  YUFUIN VILLAは、賑わいのある湯の坪街道から大分川を渡った静けさのある場所に位置する。前面道路沿いには多くの樹木が育ち、地域住民にクヌギ通りと呼ばれ慕われている豊かな自然環境がすでに形成されていた。敷地からはシンボルとしての由布岳を望むことができ、夏は山風が東西方向にやわらかく吹き抜ける。これらの自然環境と共生し、施主が日常生活の豊かな一コマを過ごすための「静」の空間性と、多様な交流を許容するおおらかな「動」の空間性をもつ場を設えた。  居住空間を機能性が異なる4つの棟に分散し、施主家族の主な生活空間となるプライベート棟(A、B)と、ゆとりを持たせた空間で家族・ゲストとの交流を育む場となるコミュニティ棟(A)、ゲストの宿泊の場・近隣住民との交流の場となるコミュニティ棟(B)とした。駐車場から始まる緩やかにうねるアプローチで、分散した居住空間と外部空間をつなぎながら小景を連続させた「群からなる集合体」としての建築を目指した。  近隣建物と馴染ませるため屋根形状は高さを抑えた切妻屋根にすることに加え、外壁は杉板張りの草木染とし、由布岳への軸線に面する腰壁を自然石張とした。経年による劣化として捉えず、時間をかけて由布院の風景に溶け込ませることを意図し自然素材を採用した。この建築が由布院の地域の景観に対して馴染むと同時に、近隣環境と人をつなげる新しい場となることを期待している。

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