焼肉もちお

ビルディングタイプ
レストラン
22
434
日本 東京都

DATA

CREDIT

  • 撮影
    Fumiyoshi Nishimatsu
  • 設計
    KYOSEIMIKI DESIGN
  • 担当者
    三木 教靖
  • 施工
    マル美建装株式会社
  • 施主
    Svolta inc.
  • アートワーク
    zonshang

「焼肉もちお」は、南青山にイタリアンレストランを構える施主Svolta inc.の新業態の焼肉店である。 「いたって大衆的、けれど最高のお肉を提供する」「もっと気軽に、ちゃんと美味しいお肉を」と掲げられたコピーライトを具象化し、表現していく作業となった。 そこで先ず、「大衆的」というキーワードから想起する ”既存・素地・下地” の3つに表現方法を絞ってマテリアルを設定し、空間のコンセプトとした。既存の素地をそのまま活かしたコンクリート壁、グレーのプラスターボードにパテ下地のみで仕上げた間仕切り壁、そして軽鉄スタッド下地のみを一面に並べた壁。「大衆的」を表現する3つの要素で構成した。 軽鉄スタッド下地をそのまま並列して壁仕上げとする手法は近年目にすることが多いが、新たな見せ方の試みとして、すべてお店のブランドカラーに染め上げていくというひと手間を加えた。本来の用途では表現できない新たな素材の魅力を引き出すことにもつながった。鉄の鈍い輝きを表面に残しつつ、ブランドカラーに染め上げることで、無骨だがどこか艶めかしく美しい表情となる。それはしばしばお肉屋さんで目にする肉の塊に生命の力強い迫力を感じると共に、断面の繊細なサシの美しさに感嘆する、そんな瞬間の感情をなぞらえている。 このオリジナルなマテリアルは、「焼肉もちお」の「大衆的、けれど最高のお肉を提供する」というコンセプトを表す、空間の顔となった。 また鉄の素地をキャンバスとして鮮やかなアートワークを施すことで、お店のコンセプトを強調しつつ、明確なブランディングを図っている。 近年建築材料のコストが高騰する中で、下地材でありローコスト、かつサステナブルといった利点を残しながらも一辺倒な見え方にならない、そんなブランドカラーや個性を表現できるマテリアルの可能性を探ることができたプロジェクトとなった。​​​​​​​

物件所在地

22