
補足資料





PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- 共同住宅・集合住宅・寮
- 工事種別
- リノベーション
- 延べ床面積
- 78㎡
- 竣工
- 2024-10
CREDIT
- 撮影
- 井上登
- 設計
- 野口修+DAT/株式会社 都市環境研究室
- 担当者
- 野口修
- 施工
- 渡辺富工務店
◼️新宿Y邸 子育てを終えた夫婦の「終の住処」となるマンションリフォーム計画。 こうした場合、夫婦を主題とした二項対立的なプラン事例をよく目にするが、 子供が独立したからと言って、親の家から痕跡が消えるものではない。 子供が独身の時は、たまに帰って来た時の寝床を考えるし、結婚したり、 子供が出来た場合を想定した場所づくりも考える。 その結果、プラン上に殊更大きな部屋が出来たり、余計な場所に間仕切り の建具があったりする。結局、こうした操作が、「図式的なプラン」を崩すこと にもなるけれど、その崩れ具合こそ、住み手が持つ家族関係の「個性」ではな いかと考える。 本計画では、設備コアを中心とした回遊形式のプランを基に子供との関係 も織り込んだ住み方の想定を繰り返しながらプランを練った。 玄関を入ると現れる「木の箱」(=設備コア)を中心に、洗面台や収納が並 ぶ〈生活動線〉と右から迂回して2つの小空間を通り抜ける〈空間動線〉が、 LDKで繋がって回遊することになる。 夫婦二人暮らしの時、家人がLDKに行き来する場合は〈生活動線〉、来客 などのパブリッックな場面では生活感を隠し易い〈空間動線〉を用いる。 〈空間動線〉はこの他、オープンなフリースペースとして、在宅勤務の仕事場 や趣味のギャラリーなどにも使う。ただし、入浴時のようにどちらかが水回り を用いる際は、一時的に〈生活動線〉を塞いで〈空間動線〉を用いる。 一方、子供が帰省した時は、〈空間動線〉の室1か室2、または両方を個室 化し、LDKへの通路は〈生活動線〉を用いる。 室1と室2は、設備コア周りに組み込んだ間仕切り建具の開閉により、LDK に連なる小さな空間が現れたり、消えたりする。 家族の集散が空間の満ち引きとなって現れる住宅を考えた。