Hoshino Resorts KAI Tamatsukuri

ビルディングタイプ
旅館
12
980
日本 島根県

DATA

CREDIT

  • 撮影
    堀越圭晋/SS
  • 設計
    株式会社小大建築設計事務所
  • 担当者
    小嶋伸也 / 小嶋綾香 / 泰川恵多朗 / 小川恭平
  • 施工
    まるなか建設株式会社
  • タイル制作
    湯町窯
  • 酒樽制作
    藤井製桶所・株式会社ウッドワーク
  • 取手制作
    鍛冶工房弘光
  • 研ぎ出し制作
    原田左官
  • めのう勾玉提供
    めのやしんぐう
  • 藍染制作
    天野紺屋
  • 襖制作
    野田版画工房
  • サイン
    PINHOLE

玉造温泉は1300年前に綴られた「出雲国風土記」にて「神の湯」と記される程の良質な温泉が湧き出る日本最古の温泉街。島根県松江市玉湯町玉造(旧出雲国)に位置し、宍道湖へと水資源を注ぐ玉湯川が流れ、温泉の熱源を保護する花仙山に近接します。日本最古から続くいにしえの湯を彷彿させ、また温泉と共に培われた文化・民芸、神話の息づく神秘の宿を表現しました。 客室で初めに踏み入れる玄関では、「玉湯の間」をイメージした襖がお出迎えします。名栗加工を施した床材が視覚だけでなく履物を脱いだ一歩目の感触で足元から旅館のおもてなしを体感させます。 襖を開けると奥へといざなうよう自然光が差し込む場所に、島根県の文化に触れられるギャラリースペースを計画しました。この地の民芸文化を内包し、その魅力に包み込まれることを意図したアール天井のもと、酒樽のテーブルの上で島根県産の日本酒を嗜むことや、めのう勾玉の入った研ぎ出しアート、茶器の引き出し取手にたたら製鉄と、この地域で育まれた素材を細部に取り込みました。 島根県東部にある出雲地方では、約1400年前から砂鉄と木炭を用いた「たたら製鉄」と呼ばれる鉄づくりが盛んに行われていました。昨今殆どの鉄加工を機械が占めるなか、手仕事によって丁寧に造り上げるその鉄肌は、柔らかな鎚跡が残り、当時の鍛冶業を連想させます。デスクアートには湯町窯タイル。大正11年開窯した伝統的な材料や製法を用いて作られる「湯町窯」の黄釉の釉薬が島根の大地を感じさせます。 大自然で育まれた銘水と米が豊富な島根では、多くの酒蔵があり、日本酒発祥の地と言われています。日本酒を貯蔵し持ち運びするために盛んに江戸時代で使われてきた酒樽を用い、島根の銘酒を嗜む酒樽テーブルを吉野杉で製作しました。 壁面に配置しているアートピースはメノウ(出雲石)を用いて、施設傍を流れる玉湯川の情景を研ぎ出しアートとして表現しています。玉造温泉近くの丘陵地、花仙山は、平安時代に勾玉の産地として栄え、三種の神器の一つである「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」を製造した地として知られています。 ギャラリーの天井には間接照明を設置し光は天井の曲面をなめることで、より包み込まれる感覚を与えます。寝室側は穏やかで均一な自然光が回り込むよう障子で一面整えています。また隣接して露天風呂への脱衣スペースを設え、いにしえの湯をより心地よく体験して頂くため、タオルやアメニティ等をゆとりをもって配置する大きなカウンターを設置しました。 玉造温泉は、「出雲国風土記」に「いで湯に一度入ると、容姿が端麗になり、再び入れば万病が治る」と綴られたことから、奈良時代から現在まで、美肌の湯として知られる温泉地です。全室露天風呂付で自然に囲まれ、いにしえの湯を堪能できます。 藍染のベッドボードは、宍道湖に雲の隙間から太陽が差し込む薄明光線を表現しています。光が差し込む島根の地の神々しさと山陰ならではの穏やかな景色に包まれて眠りにつくことをイメージしています。   ライブラリースペースでは、窓に面したソファースペースから中庭を臨みます。回遊性のある回廊を廻りながら宿の随所で池や中庭、四季折々の風景を垣間見ることで、日本旅館の美を感じます。

物件所在地

12