SnowPeak TaiKoo Li Qian Tan store

ビルディングタイプ
アパレル・雑貨
8
262
中華人民共和国 Shang Hai Shi

補足資料

site plan
図面
1F floor plan
図面
2F floor plan
図面
section
図面
古民家から採取した一本柱の再利用
その他
古民家から採取した板材の再利用
その他
snowpeakペグ活用
その他
snowpeakペグ活用2
その他

DATA

CREDIT

  • 撮影
    堀越圭晋/SS
  • 設計
    株式会社小大建築設計事務所
  • 担当者
    小嶋伸也 / 小嶋綾香 / 北上紘太郎 / 童欣悦 / 黨珍
  • 施工
    Shanghai Hengpin Decoration Engineering Co., Ltd.

日本のキャンピングブランド「snowpeak」は1958年に設立され、その核となる理念は、人々が自然と再びつながり、アウトドアキャンプを生活の一部とすることです。この店舗は、太古里前灘の「木ゾーン」にある2フロアの空間に位置し、都市側とモール内側の両方に向けてディスプレイが展開されています。 スノーピークは常に持続可能な開発と製品研究を重ねてきました。製造過程で生じる廃棄物をリサイクルし、再利用することで、循環型のシステムを作り上げています。また、スノーピークは「永久修理」のアフターサービス方針を採用しており、製品の寿命を延ばし、長く使い続けることで独自の価値を製品に付加し、それを他の人へと引き継ぐ持続可能なサイクルの形成を目指しています。今回のデザインでは、キャンプの雰囲気を感じられる空間を創造しつつ、ブランドの持続可能な哲学を伝えることを意図しています。 農村の都市化が進む中で、多くの農村建築が解体・再建され、これらの構造物は打ち固めた土や木製の梁でできています。これらの梁には歴史と時間の経過による独特のテクスチャや痕跡が残され、何世代にもわたる空間の記憶が宿っています。しかし、解体時にはこれらの材料は廃棄されるか工場に送られ、安価な家具生産に用いられることで、炭素排出量が増加し、非再生可能な廃棄物が増え、悪循環を生み出しています。 今回のデザインでは、これらの解体廃材の「再生」に注目し、止められない都市化の中で独自の記憶を保存するというブランドの持続可能な哲学を表現しました。 Snow Peakブランドの特徴を持ったキャンプ体験空間を創出し、アートギャラリーのように純粋で清潔感のある展示空間を設けることで、製品ディスプレイを際立たせています。住宅の解体から得られた廃材の木材構造を取り入れ、キャンプ空間とギャラリー的な展示空間を再構成し、Snow Peak太古里前灘店独自のコンセプトを生み出しました。 店舗を通して、Snow Peakの環境保護への理念が伝わる窓口となることを願っています。 既存店舗の状態は一般的で、大きなガラスファサードがあるものの奥行きが限られており、メインの導線からも離れているため、店舗の展示空間が非常に重要なると感じました。既存のファサード構造を取り除き、従来のショーウィンドウスペースを廃止することで展示スペースを広げ、最適な顧客導線となるようにしています。 リサイクルされた木材の梁や板は「ブリコラージュ」手法で店舗の内装展示の一部としてそのまま使用されています。店内に入ると木が立ち並ぶことによってキャンプの雰囲気を感じられ、異なるテクスチャや素材が時間と空間の記憶を伝えています。 また、スノーピークは常に新しい素材への挑戦を続けており、高品質の金属製品には「燕三条の職人精神」が体現されています。金属素材は木の梁の間にある中央の棚やディテールに使用され、燕三条の職人精神への敬意を表しています。 従来の製品に加え、スノーピークの代表的な製品のひとつである「ソリッドステーク」を再創造し、店内で新たな形で展示しています。 ガラス面を拡大し、1階ファサードの室内ディスプレイの高さを変化させることで、空間の透明性を高めています。 1階の入口には、ブランド文化を展示するスペースが設けられ、顧客の室内体験を豊かにしています。 2階では、1階のデザインアプローチを継承し、文化的な壁やコミュニティ活動エリアなどが追加されています。 1階と2階を繋ぐ壁は、それぞれ異なるデザイン手法を用いてブランドの製品の特長や背後にある文化をさまざまな形で展示し、顧客にとっての空間の記憶性を高めています。 フィッティングルームのメインファサードには、再利用した古材を使用し、空間全体の木製の柱と調和しています。 階段はバーカウンターと一体化しており、手すりはミニマルなデザインで、金属仕上げを統一することで視覚的なボリューム感を抑えています。 インテリアのディテールは、キャンプをテーマとするブランドのコンセプトを反映したデザインとなっています。

物件所在地

8