台のある研究者の家 / Platform for researcher

ビルディングタイプ
共同住宅・集合住宅・寮

補足資料

Parts List
ダイアグラム
Setting Image
ダイアグラム
PLAN-BEFORE
図面
PLAN-AFTER
図面

DATA

CREDIT

  • 撮影
    中山保寛
  • 設計
    宇津奏子建築設計事務所
  • 担当者
    宇津奏子
  • 施工
    株式会社丸二

 約40坪の二世帯住宅の既存住戸を、自宅兼オフィスとして使用しながら、学生が集まってサテライト・ラボとして使ったり、友人と集まったり、両親や親族が集まったりするような、多様な使い方をしたい、というリフォームの計画である。  打ち合わせを進めながら、必要な諸室を確保すると、約60㎡の大きな空間ができることがわかった。研究者である住み手の生活を考え、食べること・くつろぐこと・仕事をすることを、それぞれ場所を変えてすごすのではなく、一つの緩やかな流れとしてすごすための空間を目指したいと考えた。  そこで、この広い空間を背景として、「建築」よりは軽いが、既製品の「家具」よりも重い、様々な行為が誘発されるような、組み替えられる「台」を作ることにした。  最初は、大きなテーブルのようなものがあれば、様々な生活のシーンを受容出来るのではないかというイメージからはじまった。仕事の道具を片付けなくとも、自分が移動すれば、同じ空間で食事をすることができる。将来家族が出来た時にも、食事の準備をする、仕事をする、絵を描く、1つの同じ空間でそれぞれの時間を過ごすことが出来る。人が来た時も、座る位置によって相手との距離を自由にきめることができる。また「台」そのものが分かれ、高さを変えて組み替えられる構造とすることで、「台」の方も生活にあわせて変化させることが出来たら、もっと様々なシーンが許容できるのではないかと考えた。  「台」は、3種類の天板が7枚、3種類のフレームが13台、それと2本の脚で構成した。天板とフレームには数箇所ずつネジ穴があり、好きな位置で固定することが出来る。700mmでテーブルの高さ、半分の350mmでローテーブルやベンチの高さ、1050mmでカウンターやスタンディングデスクとして使うことが出来る。こうやって暮らしたいという理想に合わせて組み替えることで、生活が空間に寄り添い変わっていく。  建築側は、できるだけニュートラルな空間を目指し、天井・壁ともに珪藻土塗装とした。調湿効果のある珪藻土塗装は、ローラー塗装とすることで凹凸を持たせ、柔らかなテクスチャーとしている。空間に面する造り付けの家具や扉の面材も壁と同色とした。ダイニングと居室を繋ぐ引戸はフルオープンすることで、大きな一体空間とすることが可能である。既存を残す部分と新しく作る部分が複雑に取り合う難しい施工であったが、現場の丁寧で細やかな仕事により、空間が完成した。  これから住み手が過ごしていく未来に合わせて、「台」が、生活の土台として、また家族の舞台として、様々に変化していくことを期待している。

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