




補足資料

DATA
- ビルディングタイプ
- その他オフィス・企業施設
- 構造
- 鉄骨造
- 工事種別
- 新築
- 延べ床面積
- 1185.61㎡
- 竣工
- 2024-06
CREDIT
- 撮影
- 河田弘樹 / 吉田佑介|moult
- 設計
- 2321建築設計
- 担当者
- 尾﨑龍一
- 施工
- 山武コーポレーション
- 構造設計
- エストルクトゥーラ
- 電気設備設計
- 松岡設備設計
- 機械設備設計
- 機設工事
- インテリアデザイン
- 吉田佑介|moult
この建物は工事会社の社屋である。 企業の成果物が「現場」でつくられるとき、「社屋」はバックオフィスとして役割を担う。職員は現場と社屋を日常的に行き来しながら、束の間この空間に身を置くこととなる。 そこで求められる社屋は「とまり木」のような、流動性のなかに一時的な拠点性を見出すような空間が相応しいと考えた。 空間の構成要素が意味から解放されたかのように、ただそこに漠然と佇む風景を発想した。自然のなかで居場所を見つけるような、自律的な使い方を促すものである。象徴性やヒエラルキーを削ぎ落とすことで、利用者が自身の行為に沿って空間の使い方を発見し、更新していく余白が生まれる。柔軟でありながら、一人ひとりが求める働き方のディテールに応える空間である。 大規模な倉庫とオフィスから構成される鉄骨造の建物とし、オフィスフロアには7つのHUB(ミーティングスペースやOA機器など、執務行為の拠点となる装置)を設けた。 空間を構成するあらゆる物質が等価に並列するよう計画した。 鋼材や木材、ペット樹脂フェルトなどの素材、そしてオレンジやモスグリーン、サックスブルー、モノクロームなどの色彩を、部位・部材・物品の境界をまたいで配した。たとえば、倉庫内作業における安全色であるオレンジは、天井クレーンから鉄骨階段、家具や照明器具にまで貫かれ、素材や色彩が特定の意味と結びつくことを避けている。 このようにして構成要素に内在するヒエラルキーや象徴性の解体を図ることで、記号的でない身体的・感覚的な空間体験をもたらす。日々の使用を通じて、空間の意味が事後的に育まれていく。そのプロセスこそが、この建築の核となっている。

