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起伏に富む横浜郊外の南ひな壇の中腹に、共働きの夫婦と子供の3人家族の住まいを設計する。旧家の土地の分譲が今も進むエリアで、将来的に建て込むことが予想されるものの、2階からは丘陵の風景が広がり、高台の爽やかな風が通り抜ける横浜らしい環境である。 外観はガルバリウムで覆われた無機的な箱に、庇のついた木箱を嵌め込んで玄関としている。張り出した庇に人や車、自転車が寄り付き、来訪者を迎え入れる。近隣の視線を考慮し閉じた外観としたが、玄関はガラス張りとし、街と家が互いの様子を感じ取れる小さな舞台としている。 1階は個室、収納、水回りを機能的に集約したモノの密林のような空間である。階段を上がると、光に満ちた開放的な2階に出る。このフロアはほぼワンルームの構成で、街を一望できる南の大きな窓を中心に、食卓を囲む形でキッチン、プレイコーナー、ピアノコーナー、ソファコーナー、子供室を袖壁で区画している。家族3人が同じ空間で、時に一緒に、時に別々に過ごす間合いのとれる場を求めた。外周は収納とし、各コーナーでそれぞれ使うモノを収めている。 南の窓は高さを上げ、光を奥まで導く一方、北側は天井を低く抑えて影の濃くなる気積を削り、一つの窓の陰翳が空間全体に行き渡るようにした。窓台はベンチにもなり、夏の夕暮れには腰掛けて風を感じながら街を眺める場となる。 この窓は幅3.4m×高さ2.5mと住宅の慣用を超える大きさでありながら、縦横比や各部寸法の格差を抑えた巨人の小窓とでも呼べる設えである。そのサイズ感は視覚的に距離の曖昧さを生み、窓際はもちろん離れたコーナーまで、それぞれに「窓辺の感覚」を付与している。朝、窓から注ぐ光は食卓を照らし目醒めを促す一方、周囲のコーナーに影をもたらし、個人の静かな領域をつくる。この光と影が中心と周縁のステージとオーディエンスのような関係を支え、場の表情を深めている。
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