
PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- その他オフィス・企業施設
- 構造
- 木造
- 工事種別
- 新築
- 延べ床面積
- 77.1㎡
- 竣工
- 2023-03
CREDIT
- 撮影
- 曺 敬一
- 設計
- 濱口 雄
- 担当者
- 濱口 雄
- 施工
- 山芳工務店
- CAD
- 小笠原 隆
- 植栽
- Pablo
三重県南部にある志摩市に建てられた事務所兼コミュニティースペース。 化粧材のハニカムは、デジタル木工機械ShopBotで切削した継手仕口によって、金物を使わずに組み立てている。 現在課題として掲げている端材の再利用、職人の技術向上、職人の高齢化に対する解決策となりうる建築モデルとしてデザインした。 住宅の省力化の流れから低コスト重視となり、オートメーション化された事による職人の技術力の低下が近年問題視されている。関連して若い職人が育たず高齢化が進む中、最近よく耳にするCNCルーターに出会う。 プレカットと同様かと思われたが、よく調べてみると作業の効率化やCNCルーターとの融合によって職人の技術向上へと繋がる可能性を感じた。在来工法の加工時に出る40㎝程度の端材の活用方法として、その端材を化粧材として利用できるか、それはルーターを使えばコスト的にどうかという新たな課題に挑戦することは有意義であると考えた。このIT化は決して人の手を減らし技術の低下を加速させるのではなく、機械と人による新たな市場の可能性を探るモデルとして本建築を設計した。 CNCルーター導入により、職人が手間のかかりすぎを理由に作成可能であっても着手すらしようとしない物の作成が実現すれば、デザイナーと職人の間に必ず存在する理想と現実の溝を埋め新たなデザインを生み出す事が可能になる。機械によって切り出された材を組立てたり、調整したりするのは技術面でも知識面でもやはり職人でなければならず、リタイヤした職人でも労働可能となるため新たな雇用を生み出すことができた。角材から出る端材までもデザインが可能な為マネタイズがしやすく、今までであればチップにしたり捨てたりしていたものが、意匠としての活用やハニカム材としての使用によりアップサイクル及びSDGsへ大きな可能性を示している。