
補足資料

PROJECT MEMBER
門前仲町にある小規模な遊休地に再開発地区内遊休地の新たな活用方法として、街の情報発信と交流拠点のためのコーヒースタンドを計画した。 敷地は地下鉄駅近くの商業地域の一角、将来は街区再開発が計画されている駅前の好立地である。行政や地域住民と交流を深めることができ、有意義なコミュニケーションツールでありながら、住民にとっても公益性が高く賑わいのある活用法が求められていた。 そこで暫定利用のファストアーキテクチャーでありながら、解体後に別の敷地での再利用が可能なエシカルでサステナブルな構造形式を提案した。 本計画の木材は全て東京地場産材を利用し、西多摩郡檜原村の林業家さんから100%仕入れた「シングルオリジンストラクチャー」となっている。運搬性を高めるために20フィートサイズを1モデュールとした約850kgの木構造ユニットを6つ重ねるように全体の構造を構成している。それらをボルトで繋ぎ合わせることにより重なった角で4つの部材が集まるため柱、梁が太くなるが、木で被覆した燃えしろと評価し、準耐火構造の合理的な設計となっている。役目が終わればまた6個のユニットに解体して移築することを想定している。20年の移築を前提とした伊勢神宮や1か月のゲルが建築であるならば、10年、5年の建築は如何にあるべきなのか。その物流と工法を建築化することを試みた。 構造材として製材する過程で捨てられる枝や根っこ、木端といった部分を利用して、テーブルやカウンター等の家具を製作している。あばれやくるいを付加価値に転換する家具によって木材を活用しきることで、森に新たな付加価値をもたらすとともに、都市に木の持つ豊かな表情によって深みのある素材感を生み出している。林業が都市と直接繋がることによる事業拡張・流通のオープン化、また移動可能であるが故の長寿命化、炭素固定。など、環境問題がデザインによって少しでも緩和していくことを期待している。