
PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- 共同住宅・集合住宅・寮
- 工事種別
- リノベーション
- 延べ床面積
- 82.9㎡
- 竣工
- 2024-04
CREDIT
- 撮影
- 堀越圭晋/SS
- 設計
- 一畳十間
- 担当者
- 小嶋伸也 / 小嶋綾香 / 石川岳 / 小本佑花子
- 施工
- ヒトレノ工務店
珪藻土に包まれた広々としたLDKに面する無窓の個室には、風の通り道を考慮し、美しい円窓を設けました。この正円形の窓は、日本の伝統的な建築様式に深く根ざしたもので、唐様建築の塗り壁に始まり、近世では書院造りや茶室、数寄屋造りに広く用いられてきました。円窓を閉めた時も、光と影の移ろいを楽しめるよう襖には野田版画工房さんの手による唐紙を用いた伝統的な工法を採用し、空間に創造性を与えています。 さらに、洗面台にはケヤキの無垢板を天板として使用し、キッチンの作業台の側面には名栗加工を取り入れました。また、玄関には珪藻土の柔らかな質感や陰影、自然素材の小石を敷き詰めた「洗い出し」という伝統的な左官技法を採用し、職人の手仕事ならではのぬくもりを感じられる空間を創り上げています。 一時的な便利さではなく、日本の豊かな風土が育んだ美しい文化を現代の暮らしに継承していくことを設計理念としています。表情豊かな珪藻土、木や石など自然素材、繊細な照明計画が生み出す陰影に包まれた空間は、家族のコミュニケーションと豊かな暮らしを育みます。
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