




静かな街の一角に位置し、シンプルでありながらも素材感やディテールにこだわった洋服が並ぶセレクトショップの内装計画。 TFという店名はToFu(=豆腐)の頭文字から来ており、この街で長く愛された豆腐屋さんの隣でお店がスタートしたこと、そして同じように長く愛される街の洋服店でありたいという願いが込められているという。 その豆腐屋さんがご高齢のためお店を閉じることとなり、かねてから親交のあったTFへ受け継がれるカタチでこの敷地に新たなTFのショップを計画させて頂くことになった。 店名の由来や歴史からも、なるべく敷地に手を加えず空間を受け継いでいきながらもTFとしてのブランドを感じられる空間が相応しいと考えた。 そこでまず防水塗装の特徴的な緑色の塗床を残しながらも、その上にコンクリートを打設しカーペットを敷くように新たな床をつくりだすことで、既存の床を残しながらも新たな床をつくるという相反する関係をつくりだした。 また壁は既存のタイルを一部の破損箇所は金継ぎの要領で補修し新たな価値をつくりながら受け継いで利用することとした。 また新規の壁は必要最低限とし、どうしても目隠しが必要なフィッティングルームはガラスとカーテンによって仕切ることで既存タイルの存在感をなるべく損なわないように工夫をした。 こうしてなるべく既存の空間を受け継ぐことで生まれた空間の中央に大きなカウンターをつくりだした。 このカウンタートップは商品の陳列には使わず、商品を広げたりイベントを行ったりすることで人とモノ、人と人とのコミュニケーションが生まれ、深まる場となることを意図した。 そしてこの場こそがTFらしさを体現する場となり、建物の記憶を受け継ぎながらも新たな歴史を受け入れる器としての場になると考えた。 豆腐屋の隣の洋服店が豆腐屋の中の洋服店となり永くこの街に根付き人々から愛されていくことを願う。
