




RICCAは神楽坂に計画されたガールズバーである。 神楽坂は江戸時代から花街として栄え、風情ある石畳の路地や黒塀が今も残る街である。この街の記憶のようなものを感じられる日本的な美を内包した空間にしたいと考え「花見」をコンセプトとした。 バーはラウンジエリアと、個室で構成させている。ともに全体の天井を覆うのは、「花」をデフォルメして作ったオブジェ。これは樹脂板にホログラムシートと赤い半透明のカラーフィルムを貼り、レーザーカットしたものである。六角形を連続させることで形成したオブジェは、手作業で折り曲げているため、曲げる角度と方向はランダムになり、それによって全て異なる形を作っている。ホログラムは視線の角度によって色が変化するのでライティングによってリフレクションした光はさまざまな色を放つ。オブジェのを囲う回りの壁は、ミラーで構成することによってどこまでも広がるような仕掛けになっている。このオブジェはモビールアートのような軽い仕上がりのため、人の動きや店内の空調で僅かに動き、それによって反射した色や光は店内に余韻を残す。 一方の個室は、よりアクティビティを持たせるためにホログラムの色をそのまま空間にリフレクションさせている。部屋の中央にシャンデリアのように吊り、外側からと内側からライティングしている。外側からの光ではオブジェそのものを乱反射させ、また内側からの光では壁面や天井に花を投影したような表情を映し出している。また、壁面をグロスパネルにすることでオブジェの映り込みを作り、奥行きを持たせている。 桜の美しさや艶やかさ、あるいは散り舞う瞬間の強さと儚さを現代的に表現している。 (神田亮平/Roito)

