
PROJECT MEMBER
敷地は区画整理で再開発された地区の一角、新しい街と古い街が接する境界のような所に決まりました。 終の住処としてこの場所に暮らしていく大きな喜びや楽しみは、人と出会い交流を深めていく味わい深い時間。 それがこの住宅の大きな主題です。 リビングや水回りなど生活空間は極限まで機能的に使えるように徹底的につめる一方、人が居心地よく集う空間とはどんなものか考えました。 まず、街に開いた大きな寄り付きをご近所さんと気軽におしゃべりできる場所としてしつらえました。 次に、大好きな京都俵屋のある部屋を写しとってぎゅっと小さくしたような密度の高い客間を設計しました。 土間を経て坪庭へと視線を誘導するこの空間は、この街の季節のうつろいとともに会話を楽しめる親密な空間です。 開き、招き入れ、引き込まれていつの間にか仲良くなってしまう空間。気づいたら建主さんとそっくりな住宅となりました。 住まいと人が渾然一体となってこの街に暮らしていく。 建主さんのおかげで素敵な景色をみることができそうです。